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2011/05/19

5月18日(水)相次ぐ災害FM局の開設-なぜFMなのか?

5/17の15時、宮城県南三陸町で新たにFM局の放送が始まりました。

南三陸町が、兵庫県神戸市のFM局から機材を借り受け、新潟県長岡市のFM局や神戸市西区の流通科学大の学生さんたちの協力で開設したものです。周波数は80.7MHzで、放送は午前10時から午後8時まで。炊き出しなどの生活情報や行政情報など、町民の方々に役立つ情報を発信していく計画です。

 

東日本大震災の被災地では、避難所周辺の生活情報やライフラインの復旧情報、その他、生活再建に必要な情報を届けるための臨時災害FM局が各地で立ち上がっています。既に20以上のFM局が免許を申請・取得して、FM放送を提供しています。総務省は、年間の電波利用料を免許する特例措置を決定していますが、災害FMの多くは広告収入がなく、機材利用料や電気代、人件費等が持ち出しになることがあり、継続的な運営のあり方が課題になってきています。

 

ところでFM放送は、災害放送でよく利用されます。これには理由があります。

AM放送は中波放送と呼ばれ、音波をその波のまま伝える振幅変調方式です。一方FM放送は、周波数変調方式で、音波を周波数の変化として捉える仕組みです。FM放送は、その方式のため雑音が少なく、放送アンテナが小さくても一定のサービスエリアに発信できます。停電になっても、自家発電装置で放送を継続できる程度の電力消費で済むため、地域密着型の臨時方法によく採用されます。一方、AM放送は、雑音源の影響を受けやすく、混信が起こりやすいうえ、建物の鉄筋コンクリートでも電波が遮断されることや、自家発電機を利用すると雑音がさらに入り受信状態が悪くなる特徴があります。

 

災害FM局によって、行政からの発信媒体に厚みがでます。月2回の広報誌や毎日の更新情報を紙で届ける基本的手法に加えて、多くの人が受信できるFM放送による情報発信によって、生活に必要な情報を入手しやすくなります。しかし、一方で、さらに生活再建に必要な情報が、ある程度包括的に提供されることも重要だと考えています。国や県レベルの各種災害救援関連の制度や情報、民間レベルでの各種復興支援の動きなど、市町にいながらにして、生活を立て直す際に必要な情報が入手容易な状態であるために何ができるか、Civic Forceでは検討を続けています。

 

5/18のCivic Forceは、大島と南三陸町での物資の受け渡しのほか、手作りお風呂の運営支援や、気仙沼市内の漁業関係者との協議や調査を広く行いました。特に大島と唐桑地域では、漁業復興に向けて漁師さんたちの想いやアイデアを聞きながら議論しています。(大島にて一部支援物資を積み下ろす)

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