災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

活動報告

被災地を支援する

多目的・稼働型拠点提供事業

2011/07/07

生活再建におけるガレキの撤去

東北でも暑い日々が続いています。気仙沼や石巻の漁港近くは被災した水産加工会社から流れ出た魚などが腐敗して、悪臭が漂い、ハエが大量に発生しています。震災から4か月が経とうとしていますが、岩手・宮城・福島の3県で推計約2200万トンのガレキが片付くめどが立ちません。環境省の発表によると宮城県内でも推計約1500トンのガレキがあり、県内で1年間に排出される一般廃棄物量の19年分に相当します。用意したがれきの仮置き場に対して、ガレキ推量の約32%が搬入されましたが、仮置き場の数と広さは必ずしも十分ではありません。

気仙沼市の離島である大島では、自治体で処理するために本土にガレキを運ぼうとしていますが、本土まで運ぶ船や本土側でガレキ置き場が確保できないために、山積みになっています。フェリー乗り場である浦の浜に集められたガレキは、金属や木材で分別され、木材ガレキは重機でチップにされています。運びやすくなることはもちろん、埋め立てや焼却以外にも使えるのではないかと考えていますが、具体的な処理案はまだ決まっていないようです。再利用ができる金属ガレキもいまだに島内に分別されたままです。

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(大島浦の浜のフェリー乗り場前。木材ガレキをチップにしている 

気仙沼から南三陸町に向かう国道45号線は、小泉大橋と水尻橋の仮設橋の完成で、スムーズに移動できるようになりました。しかし一方で、ガレキ置き場に行列をなすダンプカーで一部の地域で小さい渋滞ができています。うず高く積み上げられたガレキ置き場も多く、自治体は新たなガレキ仮置き場の確保を急いでいますが、仮置き場の設置には地域住民からの反対の声も上がっています。

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(気仙沼から南三陸町へ向かう途中。ガレキ置き場にダンプが列をなしている)

なかなかガレキが片付かないなか、政府から漁協の組合員の漁師に対して日給12100円が払われるガレキ回収作業が7月末にも終了する自治体もあります。一方で、市からの業務委託でガレキ撤去をする民間企業は人手が足りない状態で、ガレキ撤去要員としてダンプカーやトラック、パワーショベルの運転手の求人は増えている地域もあります。ガレキ撤去から新たな街づくりで土木建設業が当面の雇用の受け皿になる見込みです。

このようにガレキの撤去は、地域の行政の統制と資金提供のもと、地元業者さんを中心に少しずつ進行しています。Civic Forceでは、地域の皆さんとの対話を重ね、ガレキ撤去の周辺で生活再建にあたって必要な支援をしていきます。大島に無償貸与させていただいているトレーラーハウスやコンテナハウスもその一環です。今後も地域の変化やニーズに根ざした活動を続けていきます。