災害支援のプロフェッショナル Civic Force(シビックフォース)

活動報告

被災地を支援する

多目的・稼働型拠点提供事業

2011/07/08

医療従事者が休憩をとる重要性

宮城県南三陸町ベイサイドアリーナ。震災直後、避難者や行方不明者の情報を求める人、各県から応援に来た専門家たち、マスコミでたくさんの人々が会していました。震災直後は交通網も途絶えていましたが、しばらくすると支援物資が次々と運び込まれるようになりました。

震災から4カ月が経とうとする現在、ベイサイドアリーナに集団避難していた被災者は仮設住宅や旅館などの二次避難所へ移り、アリーナ自体は物資倉庫として日々全国から届く物資を集積分配しています。アリーナにいる人の数はまばらになり、時間の経過を思い知らされます。

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(最近のベイサイドアリーナ。入口の張り紙などはだいぶ減っている)

ベイサイドアリーナの駐車場にて、4 月15日から医療サービスを提供している公立志津川病院の仮設診療所。最近ではアリーナに来る方の多くは、診療所を目指します。その仮設診療所の前に、Civic Forceが南三陸町に無償で貸与、利用管理をお願いしているトレーラーハウスが並んでいます。

「ベッドも広くて、ゆっくり休むことができます」

診療所ではトレーラーハウスを医師や看護師の休憩所として利用。夜勤や遠距離通勤の看護師さんが仮眠を取ったりしています。トレーラーハウスが来る前は、診療所やアリーナで休憩を取るしかなく、ゆっくり座って休むこともできませんでした。仕事を終えて家族の元へ帰っても、避難所での集団生活で気は休まることなく、日に日に疲れはたまっていたそうです。

気仙沼市から南三陸町まで通う看護師さんもいます。最近ようやく仮設の橋が架かったため、1時間程度で行き来できるようになりましたが、それ以前は迂回路の狭い道路にて、ダンプカーなど大型車両とすれ違いながらの長時間運転が必要でした。看護師の一人は「看護師がちゃんと休憩を取ることができることは、医療安全にもつながる」と語りました。

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(看護師などの休憩所として活用されているトレーラーハウス2台)

仮設診療所には7日現在、電気が通っていません。すぐ近くの電線までは電気が来ているのですが、電線を引き込むのにもう少し時間がかかるようで、12日ごろに通電する見込みです。また、仮設診療所は応急的に作ったため、水やトイレの設備はありません。新たな病院の建設については、今後の町づくりの方針を決める復興計画の中心的議題になると考えられます。そのため仮設診療所では、この半年の間にも新たに水道やトイレなど設備を充実させた仮設診療所を立て直す予定です。