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2011/10/19

NPO連絡会、仮設住宅の支援格差を調整

宮城県気仙沼地域では、同地域で活動するNPOが集まって各団体間の活動調整や情報交換を行う“連絡会”が、月に数回開かれています。東日本大震災発生から約3ヶ月後の6月に発足して以来、市内外のNPOや社会福祉協議会、市の職員などが集う場として定着し、現在はCivic ForceやCivic Forceのパートナー団体を含む約20団体が会議に参加しています。

この連絡会では、災害救援・緊急援助、福祉、社会教育、環境保全など様々な分野で支援を行う各団体の活動内容や進捗状況が報告されており、8月頃までは、ガレキ撤去や清掃活動場所に関する調整が議題の中心でした。しかし、以前に比べてガレキが少なくなってきたことや地元業者が撤去を始めたことから、最近は、仮設住宅に関する話題が多くなっています。

10月7日に実施された連絡会では、仮設住宅の規模や場所によって支援の届き方に格差がある点が指摘され、その偏りを減らすための話し合いが行われました。市内に88ある仮設住宅には、現在約4,500人の被災者が暮らしていますが、アクセスしやすく、100世帯以上が集まる規模の大きな仮設住宅には、衣類や食料品といったたくさんの物資が届いたり、炊き出しなどのイベントが多数開催される場合が多いと言われています。一方で、10世帯程度の小規模だったり、アクセスの悪い地域に建てられた仮設住宅には、全く支援が届いていないことがあります。

そこで、連絡会では気仙沼市が作成した「仮設住宅一覧」を見ながら、各仮設住宅の規模や入居人数、集会場の有無、入居開始日などを把握しました。そして、この差をなくすべく、支援が少ない仮設住宅への支援を増やすための調整を行いました。

仮設住宅では現在、将来への不安、健康、心の問題などを抱え、自らの命を絶つ被災者が増えており、今後も自殺者の増加が懸念されています。この日の連絡会では、自殺予防対策センターの担当者から、「自殺のリスクを下げるためには、頻繁にコンタクトをとり、人とつながる回数を増やすことが不可欠」との意見があり、支援からもれてしまいがちな人々に対する心のケアの必要性が指摘されました。

このほか連絡会では、より広く面的な支援を行うために、NPO間だけでなく市や町などの自治体関係者との連携や、他地域との交流などにも力を入れています。こうした連絡会は他地域でも開催されており、地元NGOをはじめ外部専門家など様々な活動をする人々が交わり、より効果・効率的な復興につなげる動きが徐々に始まっています。Civic Forceでは、これからも地域や立場を超えた人と人とのつながりを重視し、一人でも多くの被災者が孤立することのないよう支援を続けていきます。

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気仙沼復興協会(KRA)が実施した各仮設住宅でのお茶会の様子