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活動報告

被災地を支援する

2012/04/16

トレーラー/コンテナハウスの今【後編 Vol.2】

前回に引き続きトレーラーハウスの利用方法について、現状をご報告します。

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ヨット部の部室として

2012年2月、Civic Forceの事務所に手書きで書かれた数枚の手紙と写真が届きました。送り主は、気仙沼高校ヨット部の部員たち。Civic Forceのトレーラーハウスを、2月から気仙沼高校、気仙沼向洋高校のヨット部部室として各1台ずつ利用しています。手紙には「以前は往復3時間をかけてヨットハーバーに練習に行っていたが、トレーラーハウスのおかげで震災前と同じくらいたくさん練習できている」「着替えたり、みんなで反省会をするのが気兼ねなくできるようになった」「慣れた気仙沼水域で練習が再開できてうれしい」といった喜びの声があふれていました。

高校生たちが利用しているこれらのトレーラーハウスは、気仙沼高校ヨット部OB会と契約し貸与中。OB会メンバーの内海さんは言います。「生徒の中には家族を失ったり自宅を流され、仮設住宅などでの息詰まる生活にストレスを感じている子もいる。そうした中、このトレーラーハウスが生徒たちの“クラブハウス”としてどれほど力になっていることか。『いつでも練習できる!』と意気込む彼らの表情を見ながら、いつかこのガレキの海から世界で活躍する選手が誕生することを願い、これからも復興に向けてがんばっていく」。

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(気仙沼高校ヨット部からCivic Forceに届いた手紙と写真)

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(海沿いに置かれ、ヨット部部室として利用されるトレーラーハウス)

 

市民の憩いの場に

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トレーラーハウスは、気仙沼から1時間ほど車で南下したところにある本吉郡南三陸町でも活用されています。貸与先は、Civic ForceのNPOパートナー協働事業のパートナーである戸倉復興支援団(現Lamb’s)。同団体は、南三陸町の戸倉地区で、仮設住宅のコミュニティ活性化とソーシャルメディアを生かした世代間交流の場づくりに奔走しています。

代表の渡辺啓さんによれば「トレーラーハウスは、戸倉地区の人々の憩いの場として活用している」と言います。戸倉地区は、震災後、そのアクセスの悪さから一時孤立状態となりましたが、日々の不足を融通しながら住民同士が助け合いながら乗り切ってきた地区でもあります。他方、被災して家やコミュニティースペースを失ってしまった人々にとって、人が集まる場所が不可欠。トレーラーハウスは、そんな地域の人々の共有スペースとして、活用されています。

このほかトレーラーハウスは、気仙沼の離島「大島」でも利用されています。具体的には、大島復興チーム「おばか隊」を通じて、Civic Forceの「社員ボランティア派遣事業」の機材倉庫として、また、ボランティアやの宿泊所や休憩所、心身の病気を抱える島民の一時避難所・個室空間などとして使われています。

また、南三陸町で医療関係者の休憩所やボランティアの宿泊所などとして利用されていたコンテナハウスは、4月初旬に同町の庁舎・診療所の設置に伴い、ニーズがある他の場所に移転させる計画です。詳細は追ってご報告します。

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